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内水面漁業における漁業補償を行った事例


はじめに
本件は、橋梁整備事業の架橋工事(以下「本事業」という。)の施行に伴い、第5種共同漁業権及び許可漁業を有する漁業協同組合に対し、漁業権等の制限に係る補償を行った事例である。



漁業権等の概要

(1) 漁業権等の種類

 イ 第5種共同漁業権
   A漁業協同組合、B漁業協同組合及びC漁業協同組合
    (上記3漁業協同組合が共同免許)

 ロ 特別採補許可漁業
   A漁業協同組合及びB漁業協同組合
     (上記2漁業協同組合が共同免許)

 
(2)漁業の名称
     
 イ 第5種共同漁業(漁業法第6条第5項第5号)
   こい漁業、ふな漁業、うなぎ漁業、わかさぎ漁業、ひがい漁業、えび漁業、そうぎょ漁業、
   れんぎょ漁業、うぐい漁業、にごい漁業、あゆ漁業、おいかわ漁業、ぼら漁業、
   はぜ漁業、かじか漁業、陸封性ます漁業
     
 ロ 特別採補許可漁業


(3)支障状況

本事業の施行に伴い、橋梁工事(下部工施工)中の新橋下流に対する汚濁水による影響、施工後のさけ、あゆ及びうなぎ等の遡河性魚種に対する遡上、降下阻害への影響が懸念される。

 

補償額算定要素

漁業補償の算定要素としては、漁獲量、魚価、経費(自家労働費を含む)被害率、年利率及び制限期間(休止期間も同期間とした。)の6要素が必要不可欠である。これらの要素のうち、年利率については、公式的な資料として細則第14(3)により8.0%とした。


(1) 漁獲量

河川漁業の場合の漁獲量は、漁獲物の処理が殆ど漁業者個人々で行っており、記録をとっているものは皆無に近い状況である。しかしながら、本漁業協同組合は、漁業権行使区域の漁獲量を毎年度、農林水産省に報告しており、この漁獲量を採用した。


(2)魚価

魚価については、細則第7−4の「魚価は時価を基準とし、地域別、時期別及び漁法別の格差を勘案した魚種別の価格とする」に基づいた。


(3)経費(自家労働含む。)

経費の中には、漁船、漁具等の直接経費と自家労働費がある。      

イ 直接経費
漁船、漁具等の各耐用年数に応じた年間償却額を直接経費とした。

ロ 自家労働費 
自家労務費については、推定自家労働日数に当該地方の雇用状況等を考慮した1時間当りの労務費に従事時間を乗じるものとした。
 

(4)被害率

本事業が、河川に生息する魚種に対して影響を及ぼすものであるかどうか、工事の規模、種類及び工事期間等を十分考慮に入れ、橋梁工事(下部工施工)における影響と工事完了後(供用後)における影響の2点から考察した結果、橋梁工事(下部工施工)中における濁水による漁獲率の低下が予見でたものである。

 イ 工事施工中の被害
   (イ)仮囲いによる影響
   (ロ)濁水による影響
   (ハ)セメントの悪水による影響

 ロ 工事完了後(供用後)の被害
   遡可性魚類の遡上、降下の阻害

影響範囲の決定に当たっては、施工箇所から発生する濁水が流下して自然浄化され、正常水となるまでの区間を影響範囲とした。
また、被害率のについては、河川延長比率を被害率とした。


(5)制限期間の認定

   本事業における下部工施工期間を漁獲制限期間とした。




補償額算定

本事業が河川の生息魚類に及ぼす影響は、水質の汚濁による漁獲量の減少が予見されることから、漁業権に対しての補償としては、細則第14−1(4)により、漁業権等の制限に係る補償を行い、制限に伴い通常生ずる損失に対する補償(通損補償)として、基準第51条により、漁業休止の補償を行った。 


(1)漁業権等の制限に係る補償

営業所得から自家労働費を控除して純利益を算定し、純利益に被害率を
乗じることにより、被害額を決定した。さらに、被害額を年利率(8パ−セント)で除して資本還元額を求め、同額に漁業権の制限に係る補償率を乗じることにより、補償額を認定した。

純利益=営業所得−自家労働費
被害額=純利益×被害率
漁業権の制限に係る補償=被害額/0.08×漁業権の制限に係る補償率

(2)漁業休止の補償
漁獲高から直接経費を控除して営業所得を算定し、営業所得に被害率を
乗じることにより、被害額を決定した。さらに、被害額に休止期間を乗じることにより、収益減の補償額として認定するところであるが、細則第34−7より、基準第27条に基づく権利制限の補償を行うことから、収益減の補償額を控除するものとした。

営業利益=漁獲高−直接経費
被害額=営業利益×被害率
収益減の補償額=被害額×休止期間

以上(1)(2)の合計額を補償額とした。




おわりに
 本件は、本事業の施行が漁業権等の行使に支障をきたしたことから、漁業補償まで至ったものです。当該事業が漁業権等の行使に支障をきたさず施行できるならば、漁業補償はありえない。
漁業補償は、当該事業が本当に漁業権等の行使に支障をきたすものなのかどうかを十分に見極める必要があり、一律で考えることはできないものである。



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