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分譲マンションの取得補償を行った事例


はじめに
本件は、都市計画道路事業の拡幅工事(以下「本事業」という。)に伴い、    取得地内に存する「建物の区分所有等に関する法律」の適用のある建物(以下「区分所有建物」という。)を取得補償工法により補償を行った事例である。



対象物件の概要

(1)支障建物
   区分所有建物の約82%が支障となる。
   構  造    鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根11階建
   用  途    分譲マンション(共同住宅)
   規  模    3,900u
   分譲戸数    51戸
      
(2)取得する土地
  区分所有建物の敷地の約65%が支障となる。

(3)敷地の利用状況
  区分所有建物の敷地内には、鉄骨鉄筋コンクリート造11階建分譲マンション(共同住宅)があり、空地スペースには駐車場が確保されている。
なお、建物の階層別の用途区分は、1階層に店舗、事務所(管理人室)、機械室及び駐車場、2〜11階層に住宅が配置され、有効利用されている。
 
(4)公法上の規制
  都市計画法における市街化区域で、用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)である。

(5)管理組合について
  専有部分を所有する各区分所有者は、区分所有法に基づき、本マンションの建物・土地及び附属施設の管理または使用に関する区分所有者相互の諸事情について管理規約を定め、この規約に定める事項の必要な協議及び業務を行うことを目的として管理組合を結成し、区分所有者はこれに加入している。

(6)区分所有者の権利意識
  区分所有者の共有意識は、偶然にも同一建物の区分所有権を取得したにすぎず、区分所有者相互の理解と信頼、共同の利益の維持推進、良好な環境の保持を目的とした管理組合は存するものの、運命共同体的な考えはまったくないのが現状である。

 

区分所有建物の補償方法
本マンションは、区分所有者の専有部分(居室)と全員の共有となる共用部分(構造部、階段等)とで構成されており、区分所有法により、原則として専有部分と共用部分、専有部分と敷地利用権は分離して処分できないものとされている(区分所有法第22条「分離処分の禁止」)。したがって、本マンションは、一般に行われている用地取得とこれに伴う支障物件の移転方法とは異なり、区分所有者全員の合意のもとに建物全体を対象として考えざるを得ないこととなり、その運用にあたっては、損失補償基準第29条の2「区分所有建物の取得等」、同細則第15−3の別記3「区分所有建物敷地取得補償実施要領」に基づき、補償方法を決定するものとした。

(1)区分所有建物の移転の可否について
   区分所有者の共有意識は、偶然にも同一建物の区分所有権を取得したに過ぎず、そこには同一建物で生活を共にするという以上の共有意識はなく、現在所有している建物を取り壊し、起業地以外の場所で再び全員が同一建物の中で生活するとの合意を得ることは、本マンションの利用形態、移転先地の確保等の問題からも極めて困難である。
また、区分所有者が単独で専有部分と共有となっている共用部分を移転することは区分所有建物であることから不可能である。
 
(2)取得補償の範囲
  本マンションの躯体構造、基礎、階段、昇降設備、供給処理設備等の建物の物理的構造や諸設備の機能面の条件、一部取り壊し工事の難易、取り壊し可能部分と残存部分の割合及び残存部分に係る構造計算上の安全性、法令上必要とする設備の復元の可能性等から検討した結果、区分所有建物の専有部分が全て支障(既存建物の約82%が支障)となり、区分所有建物の全部を取得するものとした。
 また、敷地利用権の対象となってなっている残地は、利用価値の減少にとどまらず、従来利用していた目的に供することができないため、残地補償では対処できず、本マンションの区分所有者の取得請求に基づき、区分所有法第22条「分離処分の禁止」、基準第29条の2「区分所有建物の取得等」により、残地も含めた敷地全体(区分所有建物の敷地)を取得するものとした。



区分所有建物の敷地価格

(1)画地の考え方
  土地評価上の単位(画地)は、区分所有建物の敷地を一団の土地とした。

(2)区分所有建物の敷地の評価
   区分所有建物の敷地の評価対象区域は、敷地利用権の区域とし、その画地について標準地評価法に基づく評価をし、区分所有建物の敷地価格を求めた(別記3第5条「敷地利用権の価格の評価」)。




区分所有建物の取得価格
 区分所有権等の正常な取引価格は、取引事例比較法により求めた価格を基準とし、原価法により求めた価格を参考として求めるものとすると規定されているが、但し書きに、取引事例比較法により価格を求めることが困難な場合は、原価法により求めた価格を基準とすると規定されている(別記3第8条「区分所有権の取得価格」)。
 本マンションは、最寄り駅へも徒歩数分の至近距離に位置し、街路、交通・接近、環境及び行政の諸条件において優れており、近隣地域に本マンションと同種同等のマンションの取引事例が極めて少なく、取引事例比較法による価格を求めることが困難であり、原価法により求めた価格を基準として評価した。



原価法に基づく区分所有権等の積算価格

 区分所有建物、附帯工作物、立竹木及び敷地利用権全体について求めた原価法による積算価格に、当該区分所有権等に係る効用比による配分率(効用積数比率)を乗じて算定した(別記3第10条「原価法による区分所有権等の積算価格」)。

区分所有権等積算価格=
 (建物の積算価格+附属工作物の積算価格+立竹木の積算価格)×配分率(効用積数比率)
 ×個別要因係数
※配分率(効用積数比):「効用積数比率」は各階の「階層別効用比」、同一階層内における「位置別効用比」を元に求められた対象不動産の「階層別・位置別効用比」と「専有床面積」の相乗積の総専有部分の効用積数」に対する比率。
※個別要因係数:専有部分における室内の仕上げ及び維持管理の状況、専有面積及び間取りの状況を考慮した係数。


(1)建物の積算価格
  区分所有建物の再調達価格を算定し、取得時までの経過年数に応じた現価率を乗じた価格を建物の積算価格とした。

積算価格=再調達価格〔(建築工事費+付帯費用+一般管理費等)×現価率+敷地価格〕
※建築工事費:推定再建築費
※敷地価格:区分所有建物があるもの(建付地)としての取引価格
※付帯費用:監督費+公共公益施設負担金+公租公課+建築確認申請費等
※一般管理費等:販売費+企業利潤
販 売 費:公告宣伝費、モデルルーム開設費、現場での販売従
事職員の給与手当、事務費等又は委託手数料
企業利潤:借入金の利息を含めた建築及び販売期間に対応した投下資本に対する利益
※現価率:細則別表第2「非木造建築物等の現価率表」

(2)附属工作物の積算価格
区分所有建物の敷地内に存する区分所有者共有の附帯工作物の再調達価格を算定し、取得時までの経過年数に応じた現価率を乗じた価格を附帯工作物の積算価格とした。

積算価格=再調達価格×現価率
※再調達価格:推定再建築費
※現価率:減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表1

(3)立竹木の積算価格
  区分所有建物の敷地内に存する区分所有者共有の立竹木の再調達価格を算定して積算価格とした。

積算価格=再調達価格
※ 再調達価格=樹価(樹価×0.8:管理状況下)




おわりに
本件は、区分所有者全員の合意に基づく取得請求があったことから、区分所有建物の敷地(残地含む)及び建物等の全てを取得補償として補償することができたものである。
区分所有建物の敷地の取得に際しての補償方法は、その敷地及び建物等の支障状況により異なることは勿論、どの補償方法を採用しても多種多様な問題が生じることが考えられます。



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